2017年8月12日土曜日

アメリカミズアブの卵

山の日なので近所の山に行ってきた。
まぁいつもと同じである。
汗だくになって休んでいると、アブがたかってきた。
通称「便所バチ」ことアメリカミズアブだった。
誰が便所やねん、失礼な。ということで確保。

背面
アメリカミズアブ Hermetia illucens
触角が少し欠けてる。

腹面
アメリカミズアブ Hermetia illucens 
ケースに入れて一晩おいていたら、産卵していた。
ちょっと数えるのが嫌になるくらい。

拡大
アメリカミズアブ Hermetia illucens の
長径がちょうど1mmの細長い卵。

とりあえず保管しているので1齢幼虫が出たらまたブログネタにしよう。

おまけ
顔の拡大
アメリカミズアブ Hermetia illucens 
ハエの複眼って不思議な模様がある種類が多いですな。

ではまた

2017年8月5日土曜日

ヒゲブトナガカメムシ

明け方まで降った雨で地面の濡れた日曜日、
木の幹でちびこい虫を見かけた。
ヒゲブトナガカメムシ Appolonius oblongus
体長は4mmほど。

日本原色カメムシ図鑑第1巻(全国農村教育協会)では学名はAppolonius crassus となっているが誤同定で同第3巻で上記の学名に改められた。
本種はヒョウタンナガカメムシ科Rhyparochromidaeに属する。

古い図鑑ではナガカメムシ科Lygaeidae であるが、日本原色カメムシ図鑑第3巻(全国農村教育協会)で再整理され、ナガカメムシ上科に他の科も含め11科に細分化されている。

図鑑の検索からヒョウタンナガカメムシ科Rhyparochromidae の特徴を抜き書き
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単眼がある。
前翅に楔状部は無い。
前脚脛節に海綿窩は無い。
前翅膜質部には5本以下の縦走脈のみがあり、横脈は無く網目状にならない。
小楯板に上向きの棘状突起は無い。
腹部第5・6・7節の結合板は葉状に突出しない。
腹部腹板第4第5節間の縫合線は前方に曲がる。
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採集したので背面写真
ヒゲブトナガカメムシ Appolonius oblongus 
Appolonius属の特徴は、側方に強く突出した複眼と触角第3・4節が太いこと。
本属は日本産1種。

腹面
ヒゲブトナガカメムシ Appolonius oblongus 

側面
ヒゲブトナガカメムシ Appolonius oblongus 

その他の画像
前翅膜質部の縦脈は4本。

黒くて判りにくいけど単眼は2個。

腹部腹板第4第5節間の縫合線は前方に曲がる、の図

カメムシの仲間は、腹部第1・2・3節が癒合してるか退化してるか判らないけど、3節見えません。

ではまた。

2017年7月29日土曜日

死んでた毛虫

これと言ったネタがなかったので過去画像から。
海の日(7/17)に見かけた幼虫。
クヌギカレハ Kunugia undans
でろんと伸びて死んでいた。
たかっているのはミカドオオアリあたりかな。
ウイルス感染した死骸と思われる。

私のお散歩コース限定の話であるが、
ちょっと気になっているのはここ数年いもむし毛虫が少ない事。
今年はとうとうマイマイガを見なかった。

過去の記録を見ると、2013年にそれまで大発生していたマイマイガが
マイマイガ核多角体病ウイルスにより壊滅的に減少した。
過去記事→「シラフクチバ」とか「エダヒゲナガハナノミの♀・・・・のはず」
に病気のマイマイガ幼虫の画像を載せている。

突然マイマイガがいなくなったため、
それまでマイマイガに寄生していたヤドリバエとか寄生蜂類が
他種のいもむし毛虫に手当たり次第に寄生して少ないのかな?

とか思っていたけど、

ひょっとしてウイルスも関係してたりするのだろうか?

このウイルスは寄主特異性が高く、1種類か近縁の数種にしか
感染しないと言われているけれど。。。

もう4年もたったのでそろそろ回復してくれないもんか。
うむむ

ではまた

2017年7月22日土曜日

マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.

日曜日のお散歩で見かけたシュッとしたハエ。
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
前脚をフリフリしながら歩き回る。
白い付節が良く目立つ。

マルズヤセバエ科 Micropezidae に属する。

ネットを検索すると、昆虫写真ブログではおなじみの
「明石・神戸の虫 ときどきプランクトン」に、
「マルズヤセバエ科の一種(Rainieria sp.)(改題)」という記事があり、
コメント欄で詳しい解説があった。

マエジロアシナガヤセバエの現在の学名はRainieria hennigi (北隆館の図鑑ではR. latifrons) で、中後脚の腿節の縞の数が少なく、中後脚付節は白くない様で、
ここらで見かける、中後脚の縞が多くて付節の白い種は別種の可能性が高いそうである。

マルズヤセバエ科 Micropezidae の翅脈
顔の拡大
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
おでこに紡錘形で無光沢の額帯がある。


腹部側面(♂でした)
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
腹部を斜め下から
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
不思議なさすまた状の突起は接合鉗子と言うらしい。

腹部先端
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
先端は二つ折りになっている。
♀の腹端を接合鉗子で固定して挿入する仕組み?

北隆館の図鑑の検索表から、
マルズヤセバエ科 Micropezidae の特徴を抜き書き。
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額嚢溝と半月瘤を持つ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・環縫短角類の額嚢類

体は著しく扁平ではない、
左右の中・後基節基部は腹部の腹面の腹中線部で接近する;
爪は著しく彎曲せず、歯を生じない;
成虫は外部寄生者ではない

翅下瘤が発達しないか、発達する場合は鬚剛毛を欠く;
触角梗節の背面には通常は縫線を欠く;
通常は基覆弁の発達が悪いかこれを欠く;
翅のSc脈はR1脈の関係は多様・・・・・・・・・・・・・・・・・・無弁翅類Acalyptratae

口吻は通常太く短く、頭長より短い(Milichiidaeの一部では頭長より長いが、口吻は中途で関節があり屈曲する);
触角梗節は通常第3節(第1鞭小節)より短いが、一部でより長い場合はsc-r横脈を欠き、cua室は第2基室より長くはない

単眼を持つ

複眼は眼柄から生じない;
触角基部は広く離れない

触角刺毛はよく発達する

後付節の第1付小節は球形に肥大せず、第2付小節より長い

翅のSc脈は先端近くがほぼ直角に屈曲しない

翅のSc脈は完全で全長を通じてR1脈とは独立して前縁に達する

体肢共に著しく細長い;
R4+5脈とM1脈は先端に向かって接近し、しばしばそこで融合する

触角刺毛は第3節の背面中央よりも基方の位置から生じる;
前脚は後脚に比べて著しく短い
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額嚢溝は下写真の黄色線のところ。

羽化時にここが開いて額嚢と言う袋を風船状に膨らましたり縮めたりする。
それで囲蛹を破ったり、地表に出て来たりするそうな。


ではまた

2017年7月15日土曜日

サツマモンナガレアブかな

今週はブログネタ的には特に収穫がなかったのでその前の週から。

尾根筋で休憩していたら体の周囲を飛んで廻っていたアブ。
反射的にお散歩ネットにネットイン。
サツマモンナガレアブ Suragina satsumana
と思われる。

腹面

水際の昆虫と思うがなぜ尾根筋にいたのかは不明。
たまたまかも?

本種はナガレアブ科(ナガレシギアブ科) Athericidae に属する。

ナガレアブ科の特徴を検索表の短角亜目以降から抜き書き。
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額嚢溝と半月瘤を欠く(直縫短角類および環縫短角類の無額嚢類)

付節先端の爪間板(empodium)は1対の側爪板(褥板;pulvillus)と同形で、
3板は平板状

頭部の幅は胸部幅の1/2より広い
基覆弁(lower calpter)は小型、頭部幅より小さい;
♂が合眼的でも♀は常に離眼的

脈相は正常、R脈やM脈の分枝は翅の外縁に向かって走り、
M脈の分枝の先端は翅端より後の外縁に終わる

翅の前縁脈は後縁に沿って連続的に延びるが、後縁では通常は翅の前縁よりかなり弱い

下小盾板が強く発達する

鞭節は細長く関節構造を欠く触角刺毛を生じる;
翅のR2+3脈端は前縁のほぼ1点でR1脈と合うためにr1室は閉ざされる
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適当に画像ぺたぺた


生時の複眼は不思議な模様付き。
模様に横棒がもう一本あったら「目」になるのに。
矢印の触角第3節が下方に伸長するのも本科の特徴みたい。

上から見た顔
複眼の上方は紫~藍色のグラデーション。

胸部を後方から
矢印部が下小盾板。
近縁のシギアブ科、キアブ科、クサアブ科の下小盾板は無いか、発達が悪いそうだ。

後脚付節先端
爪と褥盤は判るけど詳しい構造ははっきり見えなかった。

前翅拡大
サツマモンナガレアブ Suragina satsumana
紋があって翅脈が判りづらいですが、英字が翅脈略号、小文字は横脈
画像クリックしたら少し拡大画像になるのでまだ見やすいかも。

R2+3脈が前方に湾曲し、R1脈の終点に近づくのが本科の特徴。
そうならないのはアブ科かタマユラアブ科になるそう。

ではまた。


2017年7月8日土曜日

ウサ耳ケムシ・・・コウスベリケンモンの幼虫

日曜日にササに隠れるようにしていた毛虫。

拉致しようかな?と思ったけど、ササは水揚げが悪くて
飼育が面倒なので写真だけにした。
「ひむか昆虫記」で見た記憶があるが、イネ科の葉で飼育する場合は
葉の両端を切って水に浸した綿で挟むと良い。と読んだ記憶がある。

前から
コウスベリケンモン Anacronicta caliginea
体毛は全体淡褐色だが、第1腹節の気門上隆起には黒色毛の束がある。
ウサ耳ケムシである。

図鑑を見るとコウスベリケンモンだった。
いもむしがデフォルトのヤガ科の中では珍しく2次刺毛がたくさん生えている。
頭部にも2次刺毛がたくさん。

頭部が飛び出しているので脱皮前の状態。
終齢幼虫ではないということである。
30mmくらいあったと思うので亜終齢くらいだろう。

背面
コウスベリケンモン Anacronicta caliginea
背線は鉛色。終齢幼虫の背線は大きな黒斑を連ねるそうだ。

図鑑に書いてある食草はススキとあるが、ここはササ(ネザサと思う)しか
生えてないところなのでこれを食べてたのだと思う。同じイネ科だし。。

同属のウスベリケンモンはササ類を食べると図鑑にあったので、
あるいはこちらかと思ったが、「日本の鱗翅類(東海大学出版部、2011)」に
掲載されている幼虫画像を見ると、ウスベリケンモンにはウサ耳はなかった。

ではまた

2017年7月1日土曜日

クロスジキヒロズコガ

日曜日は雨で傘を差し差し散歩してきた。
そろそろ見られるササキリの幼虫も見られず。。。
持って帰ったのは1匹だけ。

クロスジキヒロズコガ Tineovertex melanochryseus
低山地に多い普通種。
幼虫は枯れ葉喰いだが、産卵はシシガシラの葉に産卵管を突き刺して産み付けるそうな。

展翅した状態。
クロスジキヒロズコガ Tineovertex melanochryseus


ヒロズコガ科の特徴の一つは下唇鬚(かしんしゅ)に剛毛が生えていること。



ヒロズコガ科は小蛾類の中でも祖先的で、発達した小腮鬚を持つ。

おまけ
翅の拡大。
1ミリ四方に鱗粉は何枚あるでしょう?
(私は数えてません。)

ではまた

2017年6月24日土曜日

クロスジアオナミシャク

先週は家族サービスでお散歩行けてないし、
これといった話もないのでその前の週に見た虫。
クロスジアオナミシャク Chloroclystis v-ata
前翅長5mmほどのちっちゃい蛾。
この手のシャクガは同定放棄することが多いけど、
緑色なので図鑑と絵合わせ。

平地から山地まで広く分布する普通種。
幼虫はイタドリ、クリの花穂、ムラサキシキブの花で記録されている。
ヨーロッパでは広食性とのことなので日本でも同様だと思う。
子房とかの栄養たっぷりのところを食べてパパッと成長するのだろう。

ではまた

2017年6月17日土曜日

ヤブクロシマバエでしょ

今週はよく見るハエを貼っておしまい。
ヤブクロシマバエ Minettia longipennis

「新訂 原色昆虫大図鑑第3巻(北隆館)」にある本種の解説。
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顔の口縁近くの両側に1対の瘤状隆起がある。
触角第3節は幅の約2倍長で触角刺毛は長羽毛状。
胸背には黒色の4縦線がある。
背中剛毛は横溝後方に3対。
正中剛毛は6列生。(←これが良く判らない。)
前翅前縁脈棘毛はR4+5端まで生じない。
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以下標本画像
胸背には灰色の3縦線があるので黒色の4縦線は同義語だろう。
黄色矢印は背中剛毛。

側面

前翅

前翅端部の拡大
矢印は前翅前縁脈棘毛の終点

顔面の瘤はたぶんこれ。

おまけ
♂だったので腹端部拡大
なんか尖ったのが見えている。

ついでに図鑑にあった、シマバエ科 Lauxaniidae の区別点
無弁翅類Acalyptrataeから後の検索キーを羅列
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口吻は通常太く短く、頭長より短い;
触角梗節は通常第3節(第1鞭小節)より短いが、一部でより長い場合はsc-r横脈を欠き、cua室は第2基室より長くはない

単眼を持つ

複眼は眼柄から生じない;
触角基部は広く離れない

触角刺毛はよく発達する

後付節の第1付小節は球形に肥大せず、第2付小節より長い

翅のSc脈は先端近くがほぼ直角に屈曲しない

翅のSc脈は完全で全長を通じてR1脈とは独立して前縁に達する

体肢共に常形で著しく細長くない;
R4+5脈とM1脈はほぼ平行して走るか、先端に向かって相互に離れていく

触角梗節の先端側縁は第3触角節に向かって張り出さない

翅の前縁脈はいかなる切目も持たない

胸部後気門の下縁に細い剛毛を欠く

額嚢溝はM字型にならない;
後腿節は通常著しく肥大しない

全てあるいは一部の脛節は背面に亜末端剛毛を生じる

Cu融合脈は短縮され、翅縁よりはるか手前で終わる;
後単眼剛毛収斂し、交差することもある;
体は決して毛深くない
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ではまた

2017年6月10日土曜日

葉脈標本みたいな食痕・・・マルハバチ亜科?


今週は、これと言った虫がいなかったので名前の判らない虫を貼って終わり。
5月最後の日曜日、マルバアオダモの幼木。
生きながら葉脈標本になってる。

下手人は主に裏側に隠れてた。
えらく丁寧な食べ方というか好き嫌いの激しい食べ方というか。。

拡大。

二股のトゲがびっしり。
このパターンの幼虫は以前コナラで見たことがある。
「トゲトゲいもむし」

この記事で紹介したPericlista属の同属別種か、同じマルハバチ亜科のどれかだと思う。


おまけ
↑の個体の終齢はこんな感じ。↓
終齢になるとトゲがなくなる。
この状態になると何も食べずに朽木、あるいは土中に潜って蛹化するようだ。

ではまた

2017年6月3日土曜日

ベニヘリコケガの♂交尾器

日曜日のお散歩でチラホラ見かけた蛾。
ベニヘリコケガ Miltochrista miniata
よく似た種類に ハガタベニコケガ Barsine aberrans がいる。
「みんな蛾」の姉妹サイト?にDigital Moths of Japanがあって、
そこには交尾器の写真も載せられている。
コケガの該当ページに行くと
ハガタベニコケガについては交尾器が載っていた。
がベニヘリコケガの交尾器は未掲載だった。

ということで、、、、解剖して見た。
まず腹面図、内袋は反転済み
ベニヘリコケガ Miltochrista miniata ♂genitalia
ファルスを外して拡げてみた。
ベニヘリコケガ Miltochrista miniata ♂genitalia
斜め上から
ベニヘリコケガ Miltochrista miniata ♂genitalia
ファルス(エデアグス)
ベニヘリコケガ Miltochrista miniata ♂genitalia
コルヌティ(内袋のトゲ)が凶悪な感じ。
交尾したら金輪際離しません!
みたいな。

ではまた。