2017年10月14日土曜日

お散歩コースのチビハサミムシとおまけのミジンハサミムシ

日曜日のお散歩中、エノキの倒木が朽ちてキノコが生えだした。
数年前までヤノトラカミキリとか沸いていたもの。

少し樹皮をめくってみると、遠目にシロアリみたいな虫発見。
チビハサミムシ Paralabellula curvicauda

体長は6mm弱と小さいが翅があるので成虫。テネラルのハサミムシがいた。
テネラルとは虫屋業界では羽化直後の柔らかい状態、あるいは本来の色にまだ着色していない状態の成虫のことを言う。
これは持ち帰ってもシワクチャの標本になるので少し探すと色付きのがいたので確保。

背面
チビハサミムシ Paralabellula curvicauda
雌雄で腹端のハサミの形が異なる。

腹面
チビハサミムシ Paralabellula curvicauda

手持ちの図鑑、日本産直翅類標準図鑑(学研、2016) から引用
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ハサミムシの仲間は、革翅目(ハサミムシ目) DERMAPTERA と呼ばれる。
前翅が翅脈のない革質の翅鞘であるからくる。
前翅の後方に見える後翅の可視部も革質で、
「鱗板(squama)」または「翅鱗(wing-scale)」と呼ばれる。

チビハサミムシは、カザリハサミムシ科 Spongiphoridae に属する。
本科の和名は従来はクロハサミムシ科、ヤサガタハサミムシ科などが
提唱されていたが日本産直翅類標準図鑑(学研、2016)から上記和名に改称された。
また学名も従来 Labiidae とされていたが現在は上記 Spongiphoridaeである。

チビハサミムシ Paralabellula curvicauda (Motchulsky,1863)
♂の亜末端腹板は横長で後縁は丸く中央で弱く湾曲する。
チビハサミムシ♂腹端部の拡大

近縁のミジンハサミムシ Labia minor (Linnaeus,1758) の♂は、
亜末端腹板の後方中央部が縦長のトゲ状に突出することで区別できる。

以前採集したミジンハサミムシの♂、2013年7月、三田市。
ミジンハサミムシ Labia minor 

過去の記録でチビハサミムシとされているのはミジンハサミムシの誤同定である場合があるので注意が必要、みたいなことが書いてあった。
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おまけ
ハサミムシの仲間は前翅が小さく後翅を細かく折りたたんでいる。
拡げてみるとふたつ折りの扇子みたいな感じ。
少しずつ拡げた画像を並べておく。
微小種の薄い翅なので破れちゃった。。。
旧ブログでハネカクシの後翅を拡げてみたが、鞘翅目と革翅目では畳み方は違いますね。
→「究極の折りたたみ傘・・・サビハネカクシ

ではまた

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