2016年12月17日土曜日

スネアカキンバエ

台所で捨てられる寸前の傷んだ鶏肉を救出したので、
お散歩のついでに倒木の上に置いて様子見。

さすがに寒いので訪れるハエは少ない。

クロバエの1種。
これは♀なので同定放棄。


キンバエの1種。♂
スネアカキンバエ Lucilia porphyrina  と思う。

同一個体
スネアカキンバエ Lucilia porphyrina  と思う。

キンバエ類のオスには複眼がくっ付き気味の種と離れている種がいる。
これはくっ付いている方の種類。

曇り無き眼で見ると、タマムシとかと同じ金属光沢で美しい虫なのだが、、、、

さて他にネタも無いのでキンバエの同定をしてみた、
んだけど、仕事終りに撮った画像を入れたハードディスクを会社に置いてきてしまった。。。

来週この下に追記します。

さて続き、、、
背面拡大
ac:中刺毛 acrostichal seta
dc:背中刺毛 dorsocentral seta
ia:翅内刺毛 intra-alar seta
翅内刺毛の前方は前翅の直上に並ぶ翅背刺毛の延長上に交差する(点線部)。
この肩瘤に沿って生える刺毛は肩後刺毛と呼ぶようだ。
ちょっとややこしや。

中胸背板は盾板(じゅんばん)と三角形の小盾板(しょうじゅんばん)からなる。
ハエ類では盾板に横溝で前後に区分され、前方が「横線前域」、
後方を「横線後域」と呼び、背板の刺毛はその前後に分けて数える。
例えば、、
ac;2+3、dc;3+3・・・・・などと表記する。

ちなみに ac;0+1(中刺毛が後方に1対のみ)ならイエバエ科の可能性が高い。

側面

四角の部分を拡大

spl:中胸下前側板(腹胸側板) meso-katepisternum
hpl:中基副節(下側板) mid meron (hypopleuron)
後胸側板(後胸前側板) metapleuron
mts:後気門 posterior spiracle
ssc:中胸下側背板 katatergite (fentral area of laterotergite)
ppl:中胸下後側板(翅側板) meso-katepimeron

略号は日本のイエバエ科より引用、また()内は原色ペストコントロール図説の表記。

脚部拡大
生態写真では判りにくいが、乾燥すると脛節が赤褐色である。

原色ペストコントロール図説にキンバエ族Lucilini の重要な6種の検索があり
それに沿うとスネアカキンバエとなった。

それより特徴を抜粋すると、
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後胸側板(後胸前側板)に細毛がない(あるのはトウキョウキンバエ)

横線後域の中刺毛は2対:キンバエ属(3対なのはヒロズキンバエ属)

鱗弁は黄色または褐色、♂の複眼は接する。
(鱗弁が白色で♂の複眼間が離れるのはミドリキンバエ)

♂の第2生殖背板は小さく金緑色光沢を欠き、脛節は褐色。
(♂の第2生殖背板は大きく金緑色光沢を持ち、脛節は黒色なのはキンバエ)
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おまけ、スネアカキンバエの♂交尾器 側面
スネアカキンバエのオス交尾器 後方から
スネアカキンバエの第5腹板


ではまた

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