2017年10月21日土曜日

陸棲ヌカカの1種。

休みが雨続きでさっぱりである。
なのでこの間のエノキ倒木。

樹皮をめくると、

白い菌糸部分にわちゃわちゃっと何かいる。

拡大
ヌカカ科の1種 Ceratopogonidae 
大小の幼虫と蛹がたくさん。

ヌカカの幼虫は大部分が水棲だが、一部は陸棲である。
以前、コガシラコバネナガカメムシの入った竹筒の中にも
ヌカカの幼虫がいるのを見ている。

それはさておき、樹皮の一部を持ち帰る。
幼虫
ヌカカ科の1種 Ceratopogonidae 
腹部背面に刺毛基板をつなぐ黒線が並ぶ。
こんなの見たことないなぁ。。

幼虫頭部付近
ヌカカ科の1種 Ceratopogonidae 
ユスリカ科の幼虫と同じく前胸に偽脚があるが、
体に目立つ刺毛が生えるのがユスリカとの違い。
などと日本産土壌動物に書いてあった。


ヌカカ科の1種 Ceratopogonidae 
蛹の頭胸部拡大
ヌカカ科の1種 Ceratopogonidae 
水棲昆虫の名残なのか前胸気門が突出して呼吸角になっている。

羽化した成虫
ヌカカ科の1種 Ceratopogonidae 
ヌカカ科の1種 Ceratopogonidae 
胸部に金色の毛が生えてる。
♂の触角はふさふさ。

ヌカカの♀は近所では他の昆虫に止まって吸血しているのをよく見かける。
種類によって哺乳類や鳥、爬虫類など吸血する好みがあるようだ。

ヌカカは種類が多い割に図鑑等に載っている種が少なく同定できる気がしない。
詳しく調べられているのはヒトや家畜から吸血する一部の種類だけであるようだ。

日本産水生昆虫を見ても科の検索までで、種どころか属の検索も無い状態である。
チラッとググると60余属4000種以上の既知種がいるらしい。

うん、素人が手を出してはいけない分野であるな。

ではまた。

2017年10月14日土曜日

お散歩コースのチビハサミムシとおまけのミジンハサミムシ

日曜日のお散歩中、エノキの倒木が朽ちてキノコが生えだした。
数年前までヤノトラカミキリとか沸いていたもの。

少し樹皮をめくってみると、遠目にシロアリみたいな虫発見。
チビハサミムシ Paralabellula curvicauda

体長は6mm弱と小さいが翅があるので成虫。テネラルのハサミムシがいた。
テネラルとは虫屋業界では羽化直後の柔らかい状態、あるいは本来の色にまだ着色していない状態の成虫のことを言う。
これは持ち帰ってもシワクチャの標本になるので少し探すと色付きのがいたので確保。

背面
チビハサミムシ Paralabellula curvicauda
雌雄で腹端のハサミの形が異なる。

腹面
チビハサミムシ Paralabellula curvicauda

手持ちの図鑑、日本産直翅類標準図鑑(学研、2016) から引用
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ハサミムシの仲間は、革翅目(ハサミムシ目) DERMAPTERA と呼ばれる。
前翅が翅脈のない革質の翅鞘であるからくる。
前翅の後方に見える後翅の可視部も革質で、
「鱗板(squama)」または「翅鱗(wing-scale)」と呼ばれる。

チビハサミムシは、カザリハサミムシ科 Spongiphoridae に属する。
本科の和名は従来はクロハサミムシ科、ヤサガタハサミムシ科などが
提唱されていたが日本産直翅類標準図鑑(学研、2016)から上記和名に改称された。
また学名も従来 Labiidae とされていたが現在は上記 Spongiphoridaeである。

チビハサミムシ Paralabellula curvicauda (Motchulsky,1863)
♂の亜末端腹板は横長で後縁は丸く中央で弱く湾曲する。
チビハサミムシ♂腹端部の拡大

近縁のミジンハサミムシ Labia minor (Linnaeus,1758) の♂は、
亜末端腹板の後方中央部が縦長のトゲ状に突出することで区別できる。

以前採集したミジンハサミムシの♂、2013年7月、三田市。
ミジンハサミムシ Labia minor 

過去の記録でチビハサミムシとされているのはミジンハサミムシの誤同定である場合があるので注意が必要、みたいなことが書いてあった。
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おまけ
ハサミムシの仲間は前翅が小さく後翅を細かく折りたたんでいる。
拡げてみるとふたつ折りの扇子みたいな感じ。
少しずつ拡げた画像を並べておく。
微小種の薄い翅なので破れちゃった。。。
旧ブログでハネカクシの後翅を拡げてみたが、鞘翅目と革翅目では畳み方は違いますね。
→「究極の折りたたみ傘・・・サビハネカクシ

ではまた

2017年10月6日金曜日

サムライなんていなかった。ミカドトックリバチ

イノコヅチって花らしくないのに結構ハチが来る。
ミカドトックリバチ Eumenes micado サムライ型
蜜があるんでしょうね。
ひとしきり吸蜜したあと、毛づくろい。。。
ミカドトックリバチ Eumenes micado サムライ型
種名を調べるにあたって、、、、、
「日本産有剣ハチ類図鑑(東海大学出版部、2016)」を読むと、

サムライトックリバチと言うのはミカドトックリバチの夏型を指すそうだ。
従来の図鑑ではムモントックリバチがサムライトックリバチと誤って呼ばれることがあり注意が必要である。と書いてあった。
要するにミカドトックリバチは年2化で春型をそのままミカドトックリバチ、
2化目の夏型をミカドトックリバチ(サムライ型) と呼ぶのが正しいようだ。

というわけで、古い図鑑にサムライトックリバチとあったのは
今はいないということである。

図鑑にあった他種との区別点抜粋。♀限定
頭盾は八の字型かそれらが連なった三日月形の大きな黄斑を持つ
腹部第1節は細長く、長さは最大幅の2倍以上
頭盾の前縁は多少とも湾入する
腹部第1節は密に点刻される
中胸背板、小盾板、後胸背板は密に点刻される
etc.

いろいろ画像
顔面
 側面
背面

ではまた



2017年9月30日土曜日

コベニスジヒメシャクの交尾器

日曜日に見かけた蛾。
普通種だけど、近縁種が5・6種いて同定が困難なヤツ。

コベニスジヒメシャク Timandra comptaria
図鑑には交尾器を検するのが望ましい、などと書いてあるので、、、、
拉致して検してみた。

まず交尾器側面。下の棒状のはファルス(エデアグス)
コベニスジヒメシャク Timandra comptaria ♂genitalia

バルバを開いた状態
コベニスジヒメシャク Timandra comptaria ♂genitalia

バルバを見やすく拡げてみた。
コベニスジヒメシャク Timandra comptaria ♂genitalia

ファルスの内袋を反転してみたけど、特筆したものは無く単純な形でした。
コベニスジヒメシャク Timandra comptaria ♂phallus
と、手持ちの図鑑と照合した結果、、コベニスジヒメシャクと確認しました。

そのうち同属別種がいたら見てみよう。

ではまた

2017年9月23日土曜日

オオマイコガ

ちょっと前(8/27)に採ったミクロ(小蛾類のこと)
オオマイコガ Stathmopoda stimulata 
ニセマイコガ科 Stathmopodidae に属す。
本科の蛾については別種を旧ブログでも紹介してる。

触角の拡大
オオマイコガ Stathmopoda stimulata 
飾りのついた しめ縄のよう。
展翅した。
オオマイコガ Stathmopoda stimulata 
♂成虫の後翅前縁には「前縁ひだ(costal fold)」を持つ。
前縁ひだの辺り
内の折り返した部分がそれ。
こういう前縁ひだはハマキガ亜科の♂前翅にも見られる。

♂の腹部第8節の背面に毛束があり、毛は棍棒状で先端が丸い。
毛の拡大
近縁種の♂にも毛束があるが、他種のは尖っていて膨らんでない。

♂交尾器
ファルスを除いてバルバを広げた状態。
ファルス
拡大率バラバラ

幼虫はヤブニッケイの果実につく。

おまけ
ケースの外から撮った裏側
ちょっと顔付き悪い?

ではまた

2017年9月16日土曜日

クリイロヒメキノコムシの幼虫

虫を見て初めて判ったこと。

8月27日、コナラの倒木に白いカビの塊みたいなキノコを見つけた。
なんかいる。
拡大すると、、
クリイロヒメキノコムシ Sphinus castaneipennis
ヒメキノコムシ科は変形菌(粘菌)の胞子を食べることで知られている。
このときはお腹空いたらカビも食べるのかな?とか思ってた。

9月3日に見ると、それはもろもろになっていた。
拡大してみると、、、
ススワタリと化した成虫と、幼虫らしきものがたくさん。
マックロクロスケデテオイデ~

アレッ?と思って調べてみると、この塊も変形菌らしい。
ススホコリ属の1種 Fuligo sp. で色彩から シロススホコリ Fuligo candida と思われる。
やっぱり変形菌しか食べない昆虫のようだ。

成虫は旧ブログで紹介済み(粘菌食いの虫・・クリイロヒメキノコムシ)なので
一部持ち帰って幼虫を観察
矢印のツブツブが糞。もやっとしてるのは胞子。
幼虫拡大
クリイロヒメキノコムシ Sphinus castaneipennis 幼虫、背面
10%苛性カリ水溶液で炊いて筋肉を溶かし透過光観察
クリイロヒメキノコムシ Sphinus castaneipennis 幼虫
大顎が結構オモシロい形。
先っちょはギザギザのこぎり
付け根は「おろし金」状。
のどに見える胞子は潰れているように見える。

人で言うなら前歯と奥歯の役を一対の大顎でこなしてる感じ?

持ち帰った幼虫は9月7日には蛹化した個体がたくさん見られた。成長早い。
クリイロヒメキノコムシ Sphinus castaneipennis 蛹、側面

クリイロヒメキノコムシ Sphinus castaneipennis 蛹、腹面

クリイロヒメキノコムシ Sphinus castaneipennis 蛹、背面
幼虫の脱皮殻を外すと長い尾突起があった。

9月10日、平日に降った雨で綺麗に洗い流されていた。
こんなすぐに無くなる資源をよく利用できるものだ。

おまけ。
ナンチャッテ深度合成した成虫画像。
クリイロヒメキノコムシ Sphinus castaneipennis
ではまた

2017年9月5日火曜日

胴長短足ジガバチモドキ

日曜日に採った小さな蜂。
トゲジガバチモドキ Trypoxylon errans
8㎜ちょい。脚は全転節が黄色。

本種♂の特徴。
前伸腹節背面の囲溝は明瞭。

前胸側板突起は先端が尖る。
小さくて判りにくい。斜めから見てやっと確認。
和名の由来でしょうな。
たまに判別しにくい個体もいるそうな。

日本産有剣ハチ類図鑑で同定してみました。

おまけ

トゲジガバチモドキ Trypoxylon errans 
ではまた