2018年1月12日金曜日

ノコメトガリキリガの卵と交尾器

去年の暮れ(12/23)、ツイッターに貼ったヤツ
ノコメトガリキリガ Telorta divergens
サクラの幹に卵を産み散らかしていた。。
産卵直後の卵は薄黄色。
数種類しか見たことないが、ヤガ科の卵は大体そうで
数日経つと着色する。

年明けて初散歩の1月2日、様子を見ると
矢印部分の卵は着色して鉢巻き模様が出ているが、一部そのままのがある。
交尾が完全でなく、すべての卵を受精できなかったのだろうか?

さて、

卵産んだからもういいよね?と連れ帰ったメスの交尾器を観察。
ノコメトガリキリガ Telorta divergens ♀genitalia
交尾嚢(画像下方の透明な袋)が綺麗であまり濁っていない。

こちらは以前採った分の♂交尾器
ノコメトガリキリガ Telorta divergens ♂genitalia
上図はファルス(エデアグス)を外した状態。
ファルスはこちら。
ノコメトガリキリガ Telorta divergens ♂phallus
内袋(ベシカ;vesica)を反転させるとこんな形。
ノコメトガリキリガ Telorta divergens ♂phallus
先端に1本のコルヌツス(cornutus,刺状の硬化部)がある。

こちらも別の日に採った♀の交尾器
ノコメトガリキリガ Telorta divergens ♀genitalia
こちらの交尾嚢は内部が濁っていて交尾が問題なく終了した感じ?
あと、ドゥクツス・ブルサエ(ductus bursae,交尾口から交尾嚢までの管状部)の形状が反転した♂の交尾器と同じ形状なのがオモシロい。
この♀の交尾嚢には♂のコルヌツスが残されていた(下画像矢印)。

ではまた

2018年1月1日月曜日

戌年にちなみまして・・・イヌビワハマキマドキ

12年前に使った画像・・・

え~さてさて
お散歩コースで見る蛾の中で「イヌ」がつくものを探してみました。
2005年の5月に飼育羽化したもの。
イヌビワハマキモドキ Choreutis japonica
名前の通り幼虫はイヌビワを食す。
イヌビワの展葉前の巻いた葉っぱを糸で綴って巣にします。
こんな感じ。
イヌビワハマキモドキ Choreutis japonica の巣
特徴的なのでほぼ本種と同定してよい。
同じハマキモドキガ科で開いた葉っぱに糸を貼って巣にする種類がいる。
タイワンオドリハマキモドキ Brenthia formosensis という種類だが、
こちらは旧ブログで紹介してます。
こちら-->神戸のタイワンオドリハマキモドキ

今年も週に1回くらいは更新する感じで行こうかと思います。

ではまた

2017年12月30日土曜日

コリメート動画撮影時のプアマンズ微動装置?

腐葉土にいたモフモフした大きめのダニ。
実体顕微鏡の接眼レンズにデジカメ(TG-3)を押しつけて動画を撮ってみた。

以前、上司に同定してもらった ゴミツケタカラダニの1種 Caeculisoma sp.
-->上司の関連記事はコチラ・・害虫屋の雑記帳「タカラダニこもごも」

上の動画はカクカクしていてちょっと見づらいのでひと工夫。

1.適当な台にフラットシャーレをうつぶせに固定します。

2.ワセリンを塗ります。

3.もう一枚フラットシャーレを置きます。

ぬるぬる動きます。


これで撮った動画がこちら
ゴミツケタカラダニの1種 Caeculisoma sp.

ワセリンが適度な抵抗になって滑らかな移動が出来ます。
ワセリンがなかったらニベアクリームとかマーガリンでもいけると思う。

この方法は何年も前に上司が開発?した方法である。
非常に貧乏くさい。。。

動画もいっこ
ガラス面にあおむけにすると、起き上がれない。
1分半待っても起き上がれないので柄付き針で助けました。
ゴミツケタカラダニの1種 Caeculisoma sp.

さて、本年の記事はこれで最後になります。
今年も週一更新は何とか継続できました。
来年もよろしくお願いします <(_'_)>

ではまた

2017年12月23日土曜日

シュッとした小蛾

年末進行である。
ネタも無いので11月に見た虫から。

枯れ枝に絡まるゴミ、、、にしか見えないけど
ハマキホソガの1種 Caloptilia sp.
ホソガ科の中では大きい方で翅端まで1cmほどある。
成虫で越冬するようで真冬でも見られる。

拡大
ハマキホソガの1種 Caloptilia sp.
スマートな蛾で関西風に言うと「シュッとした」蛾である。
ただ、色彩は地味な褐色で黒のそばかす模様。薄い紫色光沢がある。

腹面
ハマキホソガの1種 Caloptilia sp.
胸部腹面には薄いレモン色の斑紋。
中脚脛節がふさふさなのはハマキホソガ一般の仕様。

種類は、
タブノキハマキホソガ C. syrphetias
ホソバタブハマキホソガ C. crinotibialis のどちらか。

両種ともクスノキ科につき、外観が似ているので
同定には交尾器の観察が必須だそうな。

そのうち見ようと思いつつ年内には時間がとれなさそう。。

まあそのうちそのうち、、

ではまた



2017年12月16日土曜日

えいえいおー!みたいな和名・・・カチドキナミハグモ

ネタがないので前回の採集品から。
ビニールシートに落ち葉を拡げたときに
てて~っと走って逃げようとしたクモを確保。
こんなの
カチドキナミハグモ Cybaeus nipponicus 
体長は7mmほど。色あいも地味でどの辺がカチドキなのか??

腹面
カチドキナミハグモ Cybaeus nipponicus 
ナミハグモ科 Cybaeidae のクモでナミハグモ属Cybaeusは日本産80種以上が知られ、未記載種も多いとか。
本属は日本各地で種分化しており、全国区で分布するのは本種を含めて数種であるようだ。

左触肢
カチドキナミハグモ Cybaeus nipponicus 
「日本産クモ類」(2009)東海大学出版部 で♂触肢の形態を確認したが本種でいいようだ。

頭胸部腹面

腹部の模様
地域差と個体差があるそうな。

正面顔
カチドキナミハグモ Cybaeus nipponicus 

なかなかに厳つい顔。

ではまた

2017年12月9日土曜日

甲虫界のフユシャク?・・・ハネナシナガクチキ

エー加減ネタに困る季節になったので、、、
こんな落ち葉が溜まっているところで、
ビニールシートを拡げて落ち葉を集め、
上から叩きながら大きな葉や枝をどけてから
洗濯ネットに入れて、ワシャワシャ揺する。
暇つぶし用のサンプルの出来上がり。
これをタッパーに入れておくと翌日、
見なれない甲虫が蓋に上っていた。

こんなの
ハネナシナガクチキ Nipponomarolia kobensis
体長は約6mm。
ハネナシナガクチキ Nipponomarolia kobensis
冬に出現する昆虫で、後翅が退化して飛べない種類との事。
フユシャクみたいなヤツである。
フユシャクは♂は普通に翅があって飛べるが
こいつは両性とも飛べないようだ。

見た目も上翅肩部が撫で肩で飛翔筋も退化してる感じ。
上翅に暗色の模様があるが個体変異が大きいらしい。

図鑑には稀な種類とあるが、
夏の間に指くらいの枯枝を並べて落ち葉をかぶせて置いたものを
冬になって篩うと採れることが多いらしい。
時期が時期だし、好みの場所も狭いから、今までは採れることが少なかったようだ。

種小名を見たら kobensis になってるから、神戸産の標本で記載されたのかな?
採れてちょっと嬉しい。
ニヨニヨ
ハネナシナガクチキ Nipponomarolia kobensis
ではまた

2017年12月2日土曜日

セグロアシナガバチの♂・・・とキアシとの違い

日曜日、寒さに縮こまって死にかけのセグロアシナガバチの♂がいたので
持ち帰って撮影。

背面
セグロアシナガバチ Polistes jokahamae
腹面
セグロアシナガバチ Polistes jokahamae 
体長は約27mm。ここいらで大型のアシナガバチは本種とキアシナガバチの2種なので、色あいでだいたい区別できるけど斑紋にはそれぞれ個体変異があって、あれっ?と思うことがある。
この個体も前伸腹節に黄色い斑紋があって一瞬悩んだ。

セグロの触角先端は扁平になっていない。

他に色彩ではなく、形態的な差異はないか比較してみた。

まずセグロの顔面。
セグロアシナガバチ Polistes jokahamae 
頭盾を区切る線が複眼と離れている。
キアシの顔面
キアシナガバチ Polestes rothneyi
こちらは頭盾が複眼と接している。
キアシナガバチの方がパッと見、ほっそりしてやさしく見えるのはこの違いかな?

次、腹端部。セグロ、斜め下から撮影。
セグロアシナガバチ Polistes jokahamae 
尾節腹板に一対の短い突起がある。
キアシナガバチは、、
キアシナガバチ Polestes rothneyi ♂
突起が長い。同個体を角度を変えて真下から
キアシナガバチ Polestes rothneyi ♂
検索表風に言うなら、

尾節腹板に一対ある突起の長さは突起間の距離の1/2以上・・・キアシナガバチ
尾節腹板に一対ある突起の長さは突起間の距離の1/2以下・・・セグロアシナガバチ

こんな感じかな?

あと交尾器も当然違うだろうけど、同じように成形しないと形が複雑なので比較し難いため、割愛。

ではまた